大嫌いなアイツ〜幼馴染は今日も私を〜
魔王と王子
魔王と王子


少し言い過ぎただろうか。

いや、でもあれはアイツにとって願ったり叶ったりだろ。


あの後、俺は瑞樹を家まで送り届けたが、瑞樹は少しだけ元気がなかった。


『まぁこんなの序の口よね。やっぱり2人には仲良くなってもらいたいもの』と笑ってはいたけれど。


次の日の朝、俺が教室に入ると2人はいつも通り、仲良さそうに喋っていて、少しホッとした。


「ねぇ。瑞樹ちゃんと付き合ったってほんと?」

「あぁ、そうだよ」


クラスの女子達が口々に俺に聞いてくる。

瑞樹に聞けばいいものを。


「まぁ俺は付き合おうが付き合わなかろうが、このスタンスを変えるつもりはないけど」

そう言って今日も俺はクラスの女子に、顔を寄せる。

彼女達は目を見つめるだけで、嬉しそうに顔を赤らめる。
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