Everlasting Love〜きみに捧げる永遠の愛の歌〜
だけど、そう簡単に正しい方法を選べるほど、人間の心は強くできていないから。どうしようもないところまで来ていたんだと思う。極端な選択しかできなくなるほど、視野は狭まっていたんだと思う。
仕方なかった。
そう思うしか、ない。
暴力に走ったエセのお父さんは誰が見ても間違っていたと言える。やってはいけないことだと私だって思う。けど、ダメだと言うだけじゃ何の解決にもならなくて。
エセのお母さんだってそう。
周りの声にもっと耳を傾けて、誰かに頼ることができていれば。けど、頼ることも強さが必要だ。安易に誰かに話せないよね。それほど、追い詰められていたんだったら尚更。
順を追って一つ一つボタンを掛け直していく必要があった。
「あんたは十分頑張ったよ。お母さんのこと自分の人生をかけて守ろうとしたんでしょ?きっと、あんたのその姿勢は、お母さんの救いだったと思う。そうじゃなきゃ、何年も耐えられなかったと思うの。あんたは、十分救えていたよ。あんたの言葉で、ちゃんと救えていたの。だから、少しずつでいいから、ゆっくりでいいから、自分を罪という意識から解放してあげよ?」
私の過去は、私に確かに非があった。
そうちゃんに勝手に怒ってひどいこと言って。そして、赤信号を無視して道路に飛び出して。そうちゃんはそんな私をかばって死んだ。
それでも、そうちゃんの両親も、美鈴も、エセも、そんな私を責めなかった。
だけど、エセの場合は違う。
エセには何の非もないんだ。
だけど、エセ自身がどうしても自分を許せずにいて。
状況は全く違うけれど、痛みは、分かる。