Everlasting Love〜きみに捧げる永遠の愛の歌〜

 エセは私の欲しい言葉を欲しい時にくれる。だから、そんなエセに縋ってしまったのかもしれない。

 真意を知るのはすごく怖い。

 でも、知らない方がもっと怖い。

 だから、私は頷いた。エセの提案を受けて、ちゃんとそうちゃんのご両親と話をしに行こう。

 もしも、私を追い詰める真意が隠されていたとしても。エセが付いててくれるならきっと、最後まで聞けるような気がする。

 ズキズキと今もなお音を立てて痛む心を右手で抑える。

 エセはまた私に背を向ける。

「ギター、触っていい?」

「うん。」

 エセはそっとギターに触れると、優しく両手で持ち上げ自分の膝の上に置く。そして、チューニングをし、アルペジオで優しい音色を奏でる。

 大丈夫だと言っているように聞こえるその音色は心地よかった。

 静かな夜、静かな部屋に流れ込む音色は私を眠りに誘う。


 
 六月四日。

 彼を失ったその日。

 二年越しに私は、彼の家に行く。


< 79 / 178 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop