【タテスクコミック原作】鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛

 なかでも会社の顔である役員付きの秘書選びには、昔から、殊更時間をかけてきたようだ。

 一年もの長い研修期間をかけて、その中でも、容姿は勿論、立ち居振る舞いや教養、公にはされてはいないが、家柄も加味されているらしい。

 全てにおいて、秘書にもっとも相応しい人材を選び出し、徹底した教育の元、秘書室へと配属されるのだ。

 どうしてそこまでするかって? 

 至って単純なことだ。

 重役、つまりは、後継者である僕たちと深くかかわりあう職種であるから、結婚相手にも相応しい人材を、という、祖母である雅さんの思惑があったらしい。

 まぁ、僕も兄さんも、そういう大奥のような時代錯誤なお膳立てなんて真っ平御免だ、という訳じゃないが、社員に手を出して煩わしいことになるのが嫌で、秘書には一番信頼できる者を自ら雇っているくらいだ。
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