【紙コミックス①②巻発売中】鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛
どうやら、今までよかれと思ってしてきたことが全部裏目に出てしまっていたようだ。
……そういえば、元彼にも、『お前って、男立てるってこと知らねーよな。そーいうとこ、母親にでも励まされてるみてーで萎えるんだよ』別れ際に、確かそんなことを言われたっけ。
「……へへっ、そっか。私、可愛げないもんね? 元彼にも、『男立てること知らねーよな』って言われたことあったのに、成長しないね。年下なのに偉そうなことばっかり言って、ごめん」
気づけばポロポロ涙を零していて。自嘲気味に泣き笑いしながら、そんなことを言ってしまってて。
そしたら、驚いたふうな隼が私の両肩を掴んで正面に向き合ってきたと思った次の瞬間には、
「違いますっ。誤解ですっ。元彼なんかと一緒にしないでください。僕は、いつも強がってばかりいる侑李さんが強がらないでいられるような、頼り甲斐のある男になれない自分に腹が立ってるだけで、侑李さんのことを責めてるんじゃありませんっ」
さっきまでの頼りない声音とは似ても似つかない、怒気を孕んだようなしっかりとした強い口調で迫ってきた隼。
隼の表情も口調と同じで真剣そのもので、怖いくらいだ。隼の必死な想いが体温と一緒にひしひしと伝わってくる。
けれど、隼にまで元彼と同じことを言われたという、ショックがあまりにも大きかったせいか、にわかに信じがたくて。
「……ほんとに?」
そう返していた。