【タテスクコミック原作】鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛
唯一無二の大切な存在

 隼の腕をぐいぐい引っ張って部屋へと帰り着いた私は、エントランスで靴を脱ぐのも後回しに、隼の首へと両腕を絡ませると隼の形の良い柔らかな唇に自分の唇を重ねあわせた。

 隼も私の想いに応えてくれて、私の背中に腕を回してしっかりと支えてくれている。

 いつも交わしている甘やかなキスとは違い、互いの熱を分け合うような激しい貪り合うような深くて熱いキス。

 そんな深くて熱いキスを交わしつつ、縺れ合いながらリビングまで辿り着いた私たちは、ソファへとなだれ込んだ。

 優しい隼はごくごく自然にさりげなくソファに寝転んで私の身体を優しく逞しい腕に包み込んでくれている。

 私は隼の甘いマスクを見下ろしつつ言葉を紡ぎ出した。

「今から隼のこと独り占めしたい。いい?」
「良いですよ。侑李さんのお好きなようにしてください」

 すると私のことを愛おしそうに眇めた瞳で見つめながら甘やかな声音で応えてくれる隼。

 たったそれだけのことがどうにも嬉しくて、堪らない気持ちになってくる。

 胸の中に収まりきらない隼への想いが溢れだしてもう止まりそうにない。

「隼、ありがとう。大好き」
「僕は愛してます」
「もう、ダメでしょ? 今から私が隼のことをどれだけ好きか証明するんだから。隼は黙ってて」
「はい」
「よろしい」

私の上から目線の言葉にふっと優しい微笑みを零した隼に、私もふふっと笑みを零してから気合いを入れるためにも表情を引き締めた。

 そうして隼が身に纏っている上質なダークネイビーのスリーピーススーツのジャケットへと手を伸ばし脱がしにかかったのだった。
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