【タテスクコミック原作】鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛

 そのやけに甘い声の響きにつられるようにして、私がそちらに首を傾けて眼を向けてみても。

 ベッドのすぐ傍で、ダウンライトの灯りを背負うようにして立っているため、ベッドで横になってる私の方に屈んできたその男性らしき人物の顔を識別することができない。

 おまけに、寝心地のいいベッドの弾力と、まだ目覚めたばかりの所為もあってか、まだ夢の中にいるような心地で、なんだかふわふわとしてて、まだまだ意識もはっきりとはしてくれない。

 そんななか、やけに甘い声の主であるその男性が、ベッドに仰向けの私の着ているスーツをはだけ、その中に着込んでいるシフォンブラウスのボタンを幾つか外した後で。

 今度は、ベッドに横になっている私の背中とベッドの隙間に、滑り込ませるようにして、そうっと手を挿し入れてきた。

 その所為で、私の背中が僅かに浮かび上がった直後、ブラのホックが緩められ、胸が締め付けられていた圧迫感がふっと緩んだ刹那。

 緩んだ衝撃で、意識がパッと弾けるようにして覚醒した私の視界には……。

 はだけたブラウスの隙間から露になった、ブラが乗っかっただけの、なんとも心許ない胸元と。

 あの甘いマスクを最大限に活かした、人好きのするニッコリとした微笑を満面に浮かべている鬼畜の姿が、鮮明に映し出されたものだからビックリ仰天だ。

 あまりの衝撃に、私の心臓は危うく止まりそうになったくらいだ。
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