【タテスクコミック原作】鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛
*最終章*煌めく未来のために

 翌日の朝。
 昨夜はあんなに何度も何度も愛を確かめ合っていたというのに、目覚めた途端に少し掠れた色っぽい声で迫ってきた隼に、既に足腰立たなくされてしまってる私は必死で抗っているところだ。

「は、隼、ちょっと待ってぇ」
「嫌だ。もっともっと侑李のナカに居たい」
「や、だって、そんなことされたら帰れなくなっちゃうでしょ?」
「大丈夫。もともと二泊で予約入れてあるから。だからいいでしょ? ね? 侑李」
「もう! あ、やぁん!?」

 どうやらこうなることを予測してたらしい確信犯の隼の、あざとくも淫らなお強請り攻撃のお陰で、とうとう私はなし崩しで翻弄されてしまうこととなった。

 それもこれも明け方まで散々攻め立てられて、どこもかしこも容赦なくとろっとろに蕩かされていたせいで、ちょっと触れられただけで呆気なく熱を取り戻してしまったからだ。

 そこへ、昨夜のあれこれが脳裏に浮かんできてしまい。

 今この瞬間に、身体に触れる隼の熱くて甘やかな唇や手や指の感触が、昨夜の記憶と重なって余計に身体が熱くなる。

 下腹部なんてさっきからキュンキュンしっぱなしだ。

 それほどに、昨夜の隼は本当に凄かった。


 ✧✦✧


 私の左手薬指に永遠の輝きを放ち続けるダイヤモンドが鎮座した婚約指輪を、隼は王子様のように足元に跪いて嵌めてくれた。

 その時には、食事も終えていて、窓際に設えられたふかふかのソファで、ゆったりと煌めく夜景を眺めつつ、グラスに注がれたシャンパンを味わっていたせいか、私は少し酔っていたのかもしれない。

 だから、

「隼ってば本当の王子様みたいで、メチャクチャ格好いい」

恥ずかしげもなくそんなことを言いながら、すぐ隣の隼の胸に甘えるようにしなだれかかってしまったんだろうと思う。

 まさかそれが、隼のことを煽るきっかけになってしまうなんて思わなかったのだ。

「それをいうなら侑李の方だ。着物がよく似合っててお姫様みたいに綺麗で、ドキドキする。それに今すぐ項にむしゃぶりつきたいくらい色っぽいし」
「いいよ。私も隼に早く触れてほしくて堪らないもん」

 そしてまさか自分が、甘ったるい猫なで声でそんなことを言って、隼の首の後ろに腕を絡ませて、自ら胸を擦り寄せるようにして、お強請りするなんてことも思ってもみなかった。
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