恋の涙、愛の傷

カナ、22歳、秋



何かと理由をつけて、定期的に行われる、職場の飲み会もやっと終わった。


カナは一人で行きつけのバーでも寄って帰ろうと思い、
他のメンバーに別れを告げて、一人で店を出て
飲み屋街のビルの中にある、バーの黒いドアを開けた。

「いらっしゃーい!あ、カナじゃん!」

明るい性格のマスターの笑顔が視界に飛び込んでくる。

「こんばんは〜空いてる?」

「いつもの席空いてるよ」


マスターの指差す先には、いつもカナが座るカウンターの一番窓側の席。
「ありがと。」
カナはいつものようにそのイスに手を伸ばし、座る。

ビールを頼むと、隣の席に座っていたサラリーマンと目が合った。




一瞬で、視線が奪われた。

< 7 / 86 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop