【完】スキャンダル・ヒロイン

「何?静綺、説明してなかったの?
初めまして。静綺の彼氏の姫岡真央です」

は………?
私の一歩前に出てそう挨拶する姫岡さんは…
映画やドラマに出ている時と同じような甘い笑みを浮かべる。

「今日は心配すぎてついてきちゃったんだ。 俺、嫉妬深いから。ただの’友達’であっても男と会うのは心配でさ。
それで、静綺話は終わったの?そこの彼に話があったんだろう?」

そう言ってたっくんへと視線を投げかける。私へ見せるいつもと違う甘い笑顔が…怖い。怖すぎる。まるで’お前も合わせろ’と圧を掛けられているようで。

「まだ…です…」

「そう。じゃあさっさと話し終わらせちゃいなよ。
あー、そこの譲さんとしおりちゃんだっけ?ちょっと席外してくんない?
俺と一緒にちょっとだけあっち行ってような?」

にこりと微笑みを落とすと、譲はつまんなそうな顔をしていたけれど、しおりは顔を真っ赤にして「サインを下さい」と何とも惚けた事を言い出した。

そして私は何故か花火の下で、たっくんとふたりきりにさせられた。
姫岡さんの演技で何とか惨めにこの場で大泣きするのは回避された。

けれど、こんな状況って…!ちょっと待ってよ?!
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