この恋シークレット   ~アイドルと運命の出逢いをしました~
「じゃあ、明後日事務所で取材を受ける予定があるから、社長の予定を聞いておくよ」

「原田さん、ありがとうございます。よろしく」

車は、交差点から離れ、次の現場に向かうのだった。

その間も蒼は目を閉じ、次の仕事の事を考えるのではなく、葵への想いを募らせる。

現場に着けば、完璧にアイドル蒼としての仕事は抜かりない。『シャイニングレイン』が、ファンだけでなく、スタッフや共演者から評判が良いのは、メンバー達の普段の頑張りなのである。

到着した現場には、既に他のメンバーも揃っていた。

「蒼、遅かったな」とリーダーの晴に言われた。

「ああ、さっきまで雑誌の取材だったんだ」

「お疲れ。来てすぐだけど、リハが始まるからスタジオ行くぞ」

「わかった」

この後の生放送の歌番組のリハーサルがあり、終わるとヘアメイクされ、本番までの少しの時間に、歌番組の裏側の様子も撮影され、全く休まる暇はない。

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