この恋シークレット   ~アイドルと運命の出逢いをしました~
この日、蒼は珍しく夕方までだった。

集まる日は、自由に買い物にも行けないメンバーの為に、マネージャーが食べ物や飲み物を持たしてくれる。

原田にマンションの前で降ろしてもらった。
「蒼、明日は朝10時に迎えにくる。盛り上がるのもいいが、皆遅刻しない程度にしろよ」

「わかってます。お疲れ様でした」

原田の車を見送り、両手に食料を持ちマンションに入ると、このマンションのコンシェルジュの柳田がこちらにやって来た。引っ越してきてから、頻繁に顔を合わせるうちに、父親のような存在になっている。

「天音様。お帰りなさいませ。お荷物お持ちします」

「柳田さん。ただいま。そんなに重くないから大丈夫です。それより、後でうちにメンバー達が来るんですが」

「かしこましました。皆様御一緒ですか?」

「いえ。みんなバラバラだと思います」

「左様ですか。では、(わたくし)がお部屋までご案内させていただきます」

「助かります」

このマンションはセキュリティ上、カードキーがないとエレベーターすら動かない。来客用のカードキーもあるのだが、何枚もない。沢山来るときは、コンシェルジュに案内してもらうか、住人が迎えに下りるしかないのだ。



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