この恋シークレット   ~アイドルと運命の出逢いをしました~
「俺はあの日、葵に一目惚れした」

突然の告白に、何を言われたのか頭が真っ白になる。

「…」

「俺は、アイドルとしての職業柄、自由に恋愛をしたりデートをしたりする事が出来ない。それが分かった上でも、葵に想いを伝えたいと思う程真剣なんだ」

葵にも真剣な気持ちが伝わるがどうしていいのか分からない。

「今すぐどうにか出来る業界ではないけれど、葵を想うひとりの男としてこの想いを知って欲しかった」

「お気持ちは分かりました…でも、私は男性が苦手で…」

「それは、何か原因が?」

「…。あまり誰にも言ってないんですが、蒼さんの真剣な気持ちにお応えする意味も込めてお話しますね。大学卒業後、今の旅行会社に就職して、最初はカウンター業務をしていたんですが、お客様だった男性にストーカーされる様になりまして、襲われそうになったんです。何とか未遂で終わったんですが」

「「…」」蒼も原田も、思った以上に深刻だった内容に驚く。今までの頑なに関わりたくない態度にも納得する。

「それ以来、出来るだけ目立たない様にしています」






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