この恋シークレット   ~アイドルと運命の出逢いをしました~
以前の自分を取り戻す為、先ずは顔を隠していた眼鏡を止めた。すると、翌日から男性社員に声を掛けられる事が増えたのだ。

葵にとっては不思議な事だが、男性社員にとっては眼鏡で隠れていた地味子が美少女だった事に驚きを隠せない。

葵は下心には全く気づかず、リハビリだと思い声を掛けられたら返事を返す。今までだったら業務以外の会話は考えられなかった。
リハビリだと思っている葵には、男性社員達の気持ちは全く響かない。

次は、殆どスッピンに近かった状態から、入社当時を思いだし少しずつだが化粧を始めた。すると、眼鏡を止めた時以上に声を掛けられた。

真子に相談すると、皆下心があるのだと言われ、それからはハッキリと断る様になった。真子に言われるまで全く思いもしなかった。

その頃には、ハッキリと自分の気持ちが完全に蒼にある事を自覚したのだった。



もう、一生恋なんてする事がないと諦めていた葵の時間(とき)が完全に動き始めた。




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