天使になりたかった悪魔
第11夜





次に僕が目を覚ました時には、悪魔はいなくなっていた。

代わりに赤黒い何かが目の前にあった。

そして、僕の両手には、『何か』と同じ色をした羽が握られていた。


僕は恐る恐る、その、
『何か』に近づいた。


「ひいっ!」


僕は思わず、顔を引き攣らせた。

そこには、羽をもぎ取られた無惨な姿の悪魔がいたからだ。




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