愛というものより~由実ちゃんと昌くん~
「こっちこそ悪かったよ。大吾があんなに弱って泣いてるの初めて見たんだ。今まで女に執着とかするような奴じゃなかったし。まぁ、俺のせいでもあるし、どうにかしてやらないとって思うだろ。」

後ろから追ってきて昌くんは言い訳のようにそう話す。私のことなんてほっておけばいいのに。
期待しちゃうじゃない。

「もういいわよ。私も大人げなく会わせるの拒否しちゃったし。」

「もう機嫌直せよ。俺のチキン分けてやったろ?」

そう言って私の肩を抱く。それに驚いて立ち止まってしまった。
今顔を見られるとまずい。きっと赤くなってるし、泣きそうだ。

「まぁ、茉莉ちゃんのそばにいてくれたこと助かったよ。きっと茉莉ちゃんなりに一晩お前と過ごした時間があったからあんなにすんなり大吾のこと受け入れれたんだろうしな。じゃなかったらきっと無理して理解したふりしてたかもしれねぇし。」

私が黙って立っているとそうやって私のフォローをしてくれた。
でもその優しさが今までの態度と違いすぎて笑いが出た。

「フフッ、昌くんでもそんな優しいこと言えるのね。本当にもういいのよ。私ってただのコンビニの店員だし、茉莉ちゃんの友達だけど、茉莉ちゃんは昌くんの彼女じゃないでしょ?優しくする必要…痛っ!」

私が話し終わってないのに昌くんは私の頭をはたいた。
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