超短編集(1)

『君は俺の気持ちを知らないのでしょうね』



振られる度、君を誘って海に来る。
振られたと言っても
「貴方は私を好きになってくれないのね」
これがお決まりの言葉だ。
元からそう伝えてて皆も承知していたのに。
俺は今隣で海を眺めてる君が好きだ。
「海が綺麗ですね」
毎回君はそう言う。
それに他意はないのだろう。
だから俺も呟く。
「星が綺麗だね」

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