溺愛しすぎじゃないですか?~御曹司の初恋~
二十分ほどで目的地に着いたが、私は既にお疲れモードに入ってしまっていた。

それでも先輩の溺愛は止まらない。

車をパーキングに停めエンジンを切ったかと思うとシートベルトを私の分もサッと外し私を引き寄せると唇を重ねた。どれくらいそうしていたか分からないが鼻からの呼吸だけでは息苦しくなった頃やっと離された。


「はあ、やっと、ちゃんと李子を補充できた。」


先輩は満足そうに私を抱きしめた。
車の前を家族連れが横切ったのが見え、ここが駐車場だと言う事を思い出した。


「せ、大輝。ここ駐車場・・・、みんなに見えてるから・・・。」

「みんなに李子は俺のだー!って見せつけたい。・・・けど、李子は恥ずかしいか。俺らも行くか。」


密室空間からやっと解放され、やっと息が吸えたような気がする。




まずは映画が見たいという先輩の希望で映画館へとやって来た。『俺、これ見たかったんだよね。』とポスターを指す。


「これ!漫画が原作の医療系作品。主役の相田翔くんがかっこいいですよね。」

「へー、李子は翔君が好きなんだ。」


チラッと先輩を覗き見ると不服そうな顔をしながら予約パネルを操作している。


嫉妬?うそ!芸能人にも嫉妬するの!?


「ファンってわけじゃないですよ?」

「じゃあ誰のファン?」

「うーん、誰って決まった人はいないかなー。カッコイイとかキレイって思う人はいるけど、音楽もそうかな?この曲好きって感じでこのアーティストのファンですって人はいないかも。」

「そっか。」


先輩のきげん治った?


チケットを購入後は三十分ほどしか上映まで時間が無かったので、そのまま飲み物などを購入して入場時間になるまで待つ事にした。


「李子、明日はバイト?」

「はい。夕方五時から十時まで。」

「今日、泊ってく?明日バイト先まで送るから。」

「・・・・はい。じゃあ母に連絡入れておきますね。それと後で着替えも買わないと。」

「映画と食事が終わったら買いに行こう。」


何となくお泊りかな?とは思っていたけど・・・。
映画が始まる前に母にメッセージを入れると即返事が来た。

【OK♡ 明日は帰る?】

うーん、昔から子供の事も信用してくれてるのもあるし、この前ちゃんと先輩が挨拶してくれたって言うのもあるけど軽いなー、うちの親。
すっごく心配性な反面、こういうのには寛大と言うかななんと言うか・・・。

【夕方からバイト。帰るのは十一時前かな?】

【わかったー。気をつけてね。】



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