片想い歴、10年。
「奈津センパイ?食べないんですか?」
少し心配そうに聞いてくる暁十くんに、少し食べようかなと笑って返す。
1番胃に優しそうな枝豆を何個か食べる。
それだけなのに、お腹はいっぱいになった。
暁十くんたちへの質問や噂話に適当な相槌を打ちながら、物を口に入れずにいた。
「おい。体調悪いんじゃないのか?さっきから顔色悪いし、何も食べてないだろ?」
やっぱり、1番に気づいたのは寺内先生。
私は、隅の方で寺内先生と少し話す。
「・・・ですね。頭が痛くて、少し吐き気もします。」
「やっぱりか。とりあえず、タクシーで帰れ。さすがにこの時間に電車はないし、歩いて帰れる距離じゃないだろ?」
確かに、もう夜中の1時。
私が住んでいる地域に行く終電は、少し前に出たばかりだ。
このままここにいても、体調は悪化するだけだろう。
「・・・そうですね。先に帰ります。」
「ああ。俺からみんなには伝えておくから。」
「ありがとうございます・・・。」
ゆっくりと立ち上がると、少し目眩がした。
それを見かねた寺内先生が、肩を支えてくれる。
少しドキッとして、寺内先生を見上げる。
「やっぱり俺も帰る。このまま1人で帰らせるわけにいかない。」
「そんな・・・悪いですよ。先生も全然飲んでないじゃないですか。」
「俺、そんな酒好きじゃないから。それに、フラフラな人を1人で帰らせる医者はいないと思うが。」
「・・・すみません。じゃあお言葉に甘えて・・・。」
「謝るなって。俺が見過ごせないだけだから。」
そう言った寺内先生の顔は、とても優しくて、今まで見たことの無い表情だった。
少し心配そうに聞いてくる暁十くんに、少し食べようかなと笑って返す。
1番胃に優しそうな枝豆を何個か食べる。
それだけなのに、お腹はいっぱいになった。
暁十くんたちへの質問や噂話に適当な相槌を打ちながら、物を口に入れずにいた。
「おい。体調悪いんじゃないのか?さっきから顔色悪いし、何も食べてないだろ?」
やっぱり、1番に気づいたのは寺内先生。
私は、隅の方で寺内先生と少し話す。
「・・・ですね。頭が痛くて、少し吐き気もします。」
「やっぱりか。とりあえず、タクシーで帰れ。さすがにこの時間に電車はないし、歩いて帰れる距離じゃないだろ?」
確かに、もう夜中の1時。
私が住んでいる地域に行く終電は、少し前に出たばかりだ。
このままここにいても、体調は悪化するだけだろう。
「・・・そうですね。先に帰ります。」
「ああ。俺からみんなには伝えておくから。」
「ありがとうございます・・・。」
ゆっくりと立ち上がると、少し目眩がした。
それを見かねた寺内先生が、肩を支えてくれる。
少しドキッとして、寺内先生を見上げる。
「やっぱり俺も帰る。このまま1人で帰らせるわけにいかない。」
「そんな・・・悪いですよ。先生も全然飲んでないじゃないですか。」
「俺、そんな酒好きじゃないから。それに、フラフラな人を1人で帰らせる医者はいないと思うが。」
「・・・すみません。じゃあお言葉に甘えて・・・。」
「謝るなって。俺が見過ごせないだけだから。」
そう言った寺内先生の顔は、とても優しくて、今まで見たことの無い表情だった。