片想い歴、10年。
確かに、寺内先生のデスクの上はいつも、論文や資料の山。



私も決して綺麗な方ではないけど、資料の山が雪崩を起こすことはない。



寺内先生の意外な一面を見られて、ちょっと嬉しい。



「ごめん。いいよ、上がって。」



「お邪魔します。」



そろりと部屋に入ると、どこからかカレーの匂いがした。



もしかして・・・と思って一応聞いてみる。



「寺内先生、お昼作ってくれたんですか?」



「ん?ああ。カレーしか作れないんだけど。・・・ごめんな?」



「むしろ大歓迎ですよ!それだけで十分です!」



「そっか。」



嬉しそうに微笑む寺内先生に、私も笑い返す。



寺内先生の手料理が食べられるなんて、贅沢すぎる・・・!!

< 57 / 185 >

この作品をシェア

pagetop