これからの記憶をあなたと二人で
そっと晴人の手を頬から引き離して、

「ごめんなさい、晴人とは付き合えません」
とはっきり言う。

屈託のない顔で晴人が「おう」と言う。

「そして、ほんとにありがとう。
私晴人にたくさん助けてもらった。」

「おう」

「ほんとにほんとに、いつも慰めてくれてありがとう」

「おう」

私がまた口を開こうとすると

「早く行けよ」と晴人が言う。

「すぐに行動しないと後悔するぞ」と私に告げる。

「ごめん、ほんとにごめん、色々ありがと
う、」

私はそう告げて一目散に駆け出した。
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