捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
「うん、外にいっぱいいる。……こういうのって本当にあるんだね」

 鳴を抱きかかえながらそっと窓に近付き、外を見てみた。

 明らかに近所の住民ではない人が何人も集まっている。手元がきらりと光ったのを見て、カメラを持っているのだと気付いた。

「……嘘でしょ」

「どうやって家を特定したんだろうね? 朝からご苦労様って感じ」

 芽衣子は平然としているけれど、呑気に言っている場合ではない。

「ごめん、私のせいで……!」

「悪いのは好き勝手プライバシーを侵害する向こうでしょ。翠は全然悪くないよ」

「でもこれでなにかあったら」

「迷惑料はあんたの旦那に請求する。以上」

 ぱちんと芽衣子が私の顔の前で手を叩く。私がびっくりしたのにつられて、鳴も目をぱちくりさせた。

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