捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
「でも……さすがに言わなきゃいけないってあのときは思っちゃったの」

「結婚式の当日か」

「……うん。それで……」

「わかった」

「え、なにが」

「いや、繋がったと思ってな」

「だから、なにが……?」

 聞いたのに黙ってしまう。

 私に話すことを拒んでいるというよりは、言葉を選んでいるように見えた。

「今回の件が解決したあとでもいいか? 話が長くなりそうだ」

「うん」

 声が小さくなったのは怖いと思ったからだった。

 その気持ちを、素直に口に出す。

「……離婚したくなりそう?」

「どうしてそうなる?」

「だって……」

「お前がどんな人間だろうと、手放す気はない」

 きっぱり言い切られて軽く唇を噛む。

「……よかった」

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