捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
 太もものあたりに、なにか押し付けられる。説明されなくてもわかっていた。この人がどれだけの欲望を秘めているのか、微かに荒い息と熱を帯びた瞳が教えてくれる。

「……よく、三年も我慢できたね」

「だから今は耐えられないんだろう」

「もし、おあずけって言ったら?」

「襲う」

「……即答しないでよ」

「事実を言っただけだ」

 放っておいたらこの人はいつまでも私への愛を囁き続けるだろう。私が恥ずかしさで爆発するか、この人が飽きるかどちらの方が早いかと言ったら、私の爆発の方が間違いなく早い。

(本当に、恥ずかしい)

 これが三歳の子供がいる夫婦の夜だというのだから自分でも驚いてしまう。たしかに新婚のような状態ではあるけれど、ここまで――甘くなくてもいいのではないだろうか。

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