捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
「だから聞こえてないふりをするのはやめて」

 顔が熱い。涼さんのせいだ。このあと誓いのキスを控えているのに変に意識してしまいそうで怖い。

「これで満足? だったらちゃんと控室に――」

 言いかけた私の耳に、慌ただしい足音が聞こえた。不思議に思って外の方へ視線を向けると、ちょうどそのタイミングでノックされる。

「はい?」

 スタッフの誰かだろうかと思いながら促すと、がちゃりと音を立ててドアが開かれる。

 そして入ってきたプランナーは涼さんに気付くことなく、こう言ったのだった。

 ――新郎がいなくなった、と。
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