捨てられママのはずが、愛し尽くされています~冷徹社長は極上パパ~
 伸ばされた小指の意図を察し、同じように右手を差し出す。指と指とを絡めると、また鳴は笑った。

(早くその日が来るといいな)

 そう考えてから、ふともう片方の手で顔に触れる。先ほど触れたときとは違って、目の前の柔らかい表情と同じように緩んでいるのが自分でもわかった。

 言うほど笑っていないわけではない、と言わなくても鳴は気付いたらしい。

 いつかの約束を意識させるように、絡めていた小指をきゅっと握られた。


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