恋は占い師をもをまどわす
屋上のドアを開けると、田辺蒼はフェンスに寄りかかっていた体をおこし、こっちに向かって歩いてくる。
私は、逆に後ろに下がってドアを背にしている。
追い込まれたような状況で、私の両手は背中にあるドアに手のひらをついている。

「来てくれないかと思った」

どことなく、さみしげな顔をしている。
こんな顔もするんだと、思ったが次の瞬間、彼の手が私の顎にあてられ、顎クイをされた。
えっ??これって…ドラマとかで良く見るやつ??
相手はいたって、平常心らしく

「考えてくれた?」

「いや、あの…」

その前にその手どけて!!心拍数上がりっぱなしです。
次の瞬間意味深な顔にかわり

「ものすごく考えたって顔してるけど、当たってるよね!」


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