君がいたから 陽翔、結菜side
守る

陽翔side


結愛の2週間の治療が終わって、5日たった。


明後日からまた抗がん剤治療が始まるらしい…

だから俺も蓮も気分が沈んでいる。


特に蓮のほうは重症みたいだ。

一昨日、クリスマスの日に結愛と出かけたときの楽しそうな顔を見たから、
余計に暗く見えてしまうのかもしれない。


俺だって、結愛が苦しむ治療をするとなるといつもより笑顔が少なくなる。


でも、あの辛そうな蓮の表情、治療のことだけじゃない…

そんな気がする。


カルテの整理をしている、蓮に視線を向けて
今日の蓮の行動を思い出してみる。



午前中、
患者と接するときはいつもの笑顔でいたものの

医局に戻ってくると、自分の椅子に座ってうつむいてしまった。

悲しそうな心情を読みとれるほどだった。


それにいつもは昼休み結愛の様子のことで俺に話しかけてくるのに、今日はそれもなかった。


結愛のことで何かあった…?

心配になり蓮の机に向かう。
< 86 / 111 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop