あの日の帰り道


「ホームで女の子と腕組んでたのを見た時にほっとしたの…。相沢くんには彼女がいるって。好きになる前に諦められるって思ったの」


「……ホーム……」


「彼氏なんていらないって思ってたよ…必要ないから。
でも相沢くんは違ったの。
離れたかったのに離れると苦しいの…」


相沢くんから離れようとすればするほど忘れていたちっぽけな自分を思い出した。



「……相沢くんに抱きしめられてる時だけ安心できるの……」



頭の片隅にある疑問なんかどうでもいい。

ストーカーと言われても相沢くんを好きな気持ちは変わらない。



自分でも気付いてた。

もう相沢くんから離れられないと。

卒業してもきっと離れられない。


< 239 / 248 >

この作品をシェア

pagetop