ハナヒノユメ
上條くん
次の日。

学校が終わっても、憂鬱な気分だ。

すると、

「先輩。」

廊下で上條くんに声をかけられた。

「今日委員会あったっけ?」

「いいえ。」

「そっか...。」

「今日もお見舞いに行かれるんですか?」

「え、うん...。」

「そうですか。
いつも大変ですよね。」

「大丈夫...。」

「でも、少しお疲れなんじゃないかと...。」

「え、そう見えるの?」

「はい。最近は少しそう思います。」

「まあ...中間テストとかあったから。」

「なるほど...。それに委員会、部活もお見舞いもなんて...先輩はすごいと思います。」

「そんなことないよ。」

「いえ。
何か手伝えることあったらご遠慮なく言ってください。」

...。


「優しいんだね。上條くんは。」

「え、いえ...。」

「どうして、いつもそんなに優しくしてくれるの?」

「それは...。
僕、先輩のこと...。」

「...?」

「あの、先輩のことをすごく尊敬してるというか...。本当にそう思ってるんです。先輩はそうやって言われてるの、嫌かなって思うんですけど。」

「ううん、嬉しい。」

「本当ですか?」

「うん。ありがとう。」

「...。」

「...上條くん。」

「はい。」

「でも、私、上條くんが思ってるほど素晴らしい人じゃないの。

むしろ、きっと私...。」

「僕に、是非相談してみてもらえませんか?」

「え?」

「いえ...すみません。
先輩、何か悩みがあるのかなって。」

「あ...うん、少しね...。」

「やっぱり。
悩みを持ったまま、ひたすら頑張るって辛いと思うので...。少しでもお役に立てればなって...。」

「...うん。」
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