あの日の初恋を君に〜六人の主人公〜
十　友達
エルルカの強さに戸惑い、苦しそうにする瑠花の姿に戸惑いながら、未来は美術館内を走り回って帆高たちに事情を説明していった。

「瑠花ちゃん！」

「足立！」

帆高たちも笑顔を失い、ローザが慌てて医師を呼ぶ。そして瑠花はローザの家にあるベッドへと寝かされた。

「診察をさせていただきます」

メガネをかけ白髪混じりの髪をした医師が、瑠花の胸に聴診器を当てて診察を始める。その様子を未来たちは緊張した顔で見つめていた。

「……残念ですが、これはエルルカの呪いです。私にはどうすることもできません」

あまりにも残酷すぎる言葉に、未来は「そんな！」と泣きそうになる。英美里が震える声で「このままだと瑠花ちゃんはどうなるんですか？」と訊ねた。医師の口からはさらに残酷な言葉が放たれる。

「一週間ほど苦しみ続け、その命を落とすでしょう」

「何てこと……！！」

ローザが耐え切れなくなったのか泣き出す。そして何度も「ごめんなさい」と謝っていた。
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