あの日の初恋を君に〜六人の主人公〜
エルルカは瑠花を放し、地面に倒れる。その瞬間に仮面が外れてしまった。それには目もくれず未来は瑠花に駆け寄る。

「瑠花ちゃん!瑠花ちゃん!」

未来は地面に崩れ落ちた瑠花の体に触れる。瑠花は激しく咳き込み、涙の溜まった目で未来を見つめた。瑠花が生きていることに未来はホッとする。

エルルカが地面に倒れたせいか、膜はもうどこにもなかった。瑠花と未来の周りに帆高たちも集まって無事を確認して安心する。その時、「よくも邪魔を……!」とエルルカが立ち上がった。

「邪魔をするのは当たり前ばい。瑠花ちゃんは僕らの大事なーーー」

エルルカの方を見た帆高が言葉を失う。未来も何だろうとエルルカを見た。そして、その容姿を見て「嘘……」と呟いてしまう。未来や帆高だけでなく、全員が言葉を失っていた。

エルルカ・ハイドレンシアの仮面の下の容姿は、足立瑠花に瓜二つだったからだ。






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