あの日の初恋を君に〜六人の主人公〜
一人は淡い青のTシャツカットソーを着て、グレーのパンツを履いている。もう一人は黒いTシャツの上にカーキ色のサロペットを着ている。

「大地くん、瀧くん!」

五人が揃ったことに僕らの顔は笑顔になる。やっと会えた!

大地くんは今、アニメの声優として活躍している。そして瀧くんはゲーム関係の会社に就職したと話していた。

「あとは榎本だけだな」

大地くんがそう言い、「今から会いに行くんだよね」と英美里ちゃんが笑う。僕の胸は高鳴っていった。初恋の人ーーー今でもずっと好きな人にこれから会いに行くんだ。

「帆高くんの気持ち、きっと伝わるよ。頑張って!」

瑠花ちゃんにそう言われ、「ありがとう」と言う。あの時と変わらず瑠花ちゃんは優しい。

「よし、行くか」

瀧くんがそう言い、僕たちは空港を出た。普通に熱い。上着を待ってきたけどいらなかったな。

二十歳になった僕たちは、未来ちゃんの住む北海道に遊びに行くことになった。六年ぶりに会えるんだ。LINEや電話ではわからなかったみんなを見れて嬉しい。
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