あの日の初恋を君に〜六人の主人公〜

「私たちも行こう！」

英美里がそう言い、未来たちも食堂を飛び出す。未来は本から龍を召喚した。

「これに乗って！これに乗った方が早いよ！」

「ナイス、榎本！」

瀧がそう言い、未来たちは全員青い龍に掴まる。龍は大きく吠えた後、マリーナの屋敷に向かって闇の中を飛んで行く。

「とんでもないことになってるばい！」

屋敷が見えてくると、帆高が顔を真っ青にする。屋敷はこれまで戦ってきた倍以上の数の悪魔たちに取り囲まれていた。そして、その中の一体に捕らえられている人物に英美里が「大変！」と言う。マリーナが悪魔に捕まっていた。

「よし！村瀬と藤原はここで待機。早川と俺と榎本と足立でマリーナさんを助ける。いいな？」

瀧がそう言い、全員が頷く。未来が大地を見ると、悪魔に捕らえられたマリーナを見たためか、いつもの正義感の強い大地の顔に戻っていた。

「私が魔法で戦いやすくするわ！」

そう言い、瑠花が呪文を唱えると光の玉が杖から出て行き、辺りを照らし出す。悪魔たちがそれに気付いて突進してきたため、未来は本を開いた。