モテ期を過ぎた後は寂しいけれど…

大学生の時に 付き合っていた彼は

穏やかで 優しい人だったけれど。


就職して 休日が 合わなくなって。

喧嘩したわけでも ないまま

自然と フェードアウトされた。


『私って 魅力 ないのかなぁ。』

入社したての 必死で 仕事を 覚える日々。

毎日 届いたラインが 数日おきになり。


時々 電話で 話していたけど。

” 今 電話して 大丈夫? ”

と私が ラインを送ると

” ゴメン。まだ会社。あとで かける ”

と返信が来て。 

電話は 鳴らないことが増え。


徐々に ラインすら 届かなくなった。


就職して 1年過ぎた頃には

完全に 連絡が 途絶えていた。


『恋人って なんだろう…』

彼を 好きだったつもりだけど。

失っても そこまで 落胆してなくて。


逆に 重荷から 解放されたように

すっきりしている自分に 驚いていた。


『結局 私って まともに 恋すら していない。』

30年も 生きてきたのに。


そう思うと 辛くても 恋をしている 綾乃が 羨ましい。


胸に燻る 思いは 色々あるけれど。

朝になれば 忙しさに かき消されて。


そうやって また一日が 過ぎていく。







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