茜くんが、甘すぎて。〖短編〗

「あ、あっち向いててください」


じっと見つめられる視線に耐えきれなくなり、グイッと頬を押した。


恥ずかしさでいっぱいになる。


「もっと見せてよ」


甘い雰囲気を醸し出して言ったって、無理なものは無理だ。


私の心臓が破裂してしまう。


「だ、だめですっ」

「じゃあ、こっちね」


(あかね)くんはいつの間にか私の後ろに回り込み、背後からぎゅっと抱きついてきた。


彼、茜くんは私の幼なじみ。

普段は、優しくて、面倒見のいい幼なじみなのに、どうしてこんなことになっちゃったの。
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