破 恋

月曜日の朝
お袋から電話がかかってきた。

携帯は変えても
電話番号を変える事は
難しいかったから。
関連会社やお得意の関係で。

「どうしたの?朝から?」
「あなた、電話しても
繋がらないし、何回もかけたわよ」
「ごめん、携帯壊れて
昨日買い直したんだ。」
「なら、良いけど。
あなたのお嫁さんになる方が
あなたと連絡がつかないからと
こちらにきたのよ。
まぁ、可愛いお嬢さんね。」
「母さん?何を言ってるの?」
「何って、杏ちゃんの事よ。
あなたも会わせたい人がいると
言っていたから
一緒じゃないけど
嬉しいかったのよ。
お父さんにも見せたかった。」
と、涙が声で話すお袋に
何も言えなくなり
夜にまたかけると言って
電話を切った。

いったい、どうなっている?
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