破 恋

この案件をやりとげたいと
迷惑や心配をかけた
専務に
俺を無条件で異動させてくれた
社長・副社長に
何かを返したかった。

そして、日本に帰国願いを出す
今度は、姑息な手ではなく
自分自身の力で·····

と、思っていた時·····
日本に帰国の辞令が出ていた佑翔が
「先輩、俺、見合いをするみたいです。」
「見たいですって、他人事だな」
「俺の親父と赤木社長が
大学の同期で親父が泣きついた?
みたいな。
そしたら、赤木社長が
わが社に素晴らしい女性がいると
なったみたいで。」

俺が····まさか···と思っていると

「えっと、名前は···
泉 莉子さんだっけ?
あれ?先輩が飲むと叫ぶ
女性も、りこさんでは?」
と、言う
俺は、
「佑翔に止めて欲しい
断ってくれ」
と、言うと
「じゃ、莉子さんの写真見せて下さい。
どうせ、携帯の中にあるんでしょ?」
と、言われて
「見せたら、止めてくれるか?」
と、言うと
「見てから決めます。
俺の好みではないかも
       ですから」
と、言われ渋々見せる
莉子の寝顔と莉子が本を読んでいる写真
「うわぁ、めっちゃ、綺麗
美人さんなんですね。
寝顔なんか、取っちゃって。」
「 見せたぞ。止めてくれるよな?」
「う~ん。会うだけ会います。
赤木社長の顔をつぶしても
行けませんし、何せ、親父が
お怒りモードですから。」
「話が違うじゃないか?」
「だって、莉子さんは先輩のじゃ
ないですよね?
なら、俺を気にいるかも
しれませんし
じゃ、先輩、俺帰国の準備ありますし
見合いは、今週末ですから
あっ、先輩は今それどこじゃありませんね」
と、手をひらひらさせて帰っていく
「佑翔っ!!あのやろう」

金曜日、ギリギリまで仕事をして
朝イチの便に乗った。

果たして、莉子は
俺に心を許してくれるだろうか

今日中には、戻ると
社の人には話してある。

滞在時間は、短い
無理は承知で行く

いやっ、もう一度
    ······莉子と·····
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