誘拐は激甘生活の始まりII
杏菜はそっと触れられなかった唇に触れる。キスをしてほしい、と思ってしまっている。ダミアンを見つめるたびに、キスの感触を思い出してしまうのだ。

「ああ、そろそろかな」

腕時計をダミアンが見つめ、空を見上げる。杏菜もダミアンと同じように空を見上げた。その刹那、空に赤や青の花火が上がっていく。

「綺麗……」

次々に打ち上がる花火に杏菜は見惚れてしまう。ダミアンは杏菜の肩を抱き、言った。

「今日は花火祭りと言って空にこの国のあちこちから花火が上がるんだ。杏菜にどうしても見せたくて」

花火に照らされたダミアンの顔を、杏菜はジッと見つめる。堪えきれず、自然と言葉が口から出ていた。

「ダミアン様。……キス、してください」

杏菜の言葉を聞き、ダミアンは「いいの?」と驚いたような顔を見せる。杏菜は真っ赤な顔で「してください」と頷いた。その刹那、顎を持ち上げられ、口付けられる。

「んっ……」

「んんっ……」
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