春が来る前に、


いま、いちばん夏を感じているわたしたち。


必死に夏を生きるしかない、わたし。




夏、夏、夏。


瞬きをしてもしずくをこぼさなくなった彼に、安心した。




──……夏、夏、夏。


太陽が肌を焦がして、汗が頬を伝って、安心した。




夏、夏、夏──。


来年の夏も、このアイスの味を憶えていられたらいい。




目の合った太陽が、より深くまで。わたしの肌を熱して焦がした。




End.

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