その瞳に映るのは

彼女の友達 side 成瀬




駅前に着くと既に高田は木下と合流していた。


「久しぶり。成瀬と…宮野まで来たの?」


木下は気さくに俺達に声をかけてきた。


俺の記憶の木下とはかなり印象が変わっていたから声をかけられなければ、高田と一緒にいなければ、きっと気付かなかったかもしれない。


「久しぶりだな。なんかお前、女っぽくなったな?」


誠がバカ正直に伝えると木下は笑って返した。


「髪が伸びただけで?」


いや、確かに俺の記憶の木下は髪が短かったがそれだけではないだろう。


「俺のだから惚れるなよ。」


そう言って高田は木下を後ろから抱きしめて俺等を牽制した。


「あ、俺も彼女いるから大丈夫。」


サラッと返事した誠。



………。



「はあ??お前、彼女いるのかっ!?」


思わず声を大にして誠に問いかけた。


< 253 / 370 >

この作品をシェア

pagetop