その瞳に映るのは

火種の宝庫





翌日。

修学旅行の前日。



私達2年生は登校するとそのまま体育館に集まって荷物を先送りする準備をする。



私も大きめのバッグを自転車に乗せて登校すると校門に入ってすぐのところで渡辺くんに会った。



「おはよう三島さん。」


「渡辺くん、おはよう。今日は早いね?」


「一応、班長だからね。一番登校時間が早い三島さんに合わせてみた。」


朝から爽やかに笑いながら渡辺くんが言った。


「え?私のせい?」


え?班長は一番に来ないとダメだったの?

思わず焦る。


けど。



「半分は冗談だから。」

笑いながら歩き出す渡辺くん。



あ。からかわれたのか。


それでも昨日より雰囲気が柔らかくなった渡辺くんに安心した。


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