その瞳に映るのは

要相談





「紗夏の物ってこれで全部?」


「うん、ごめんね。猪瀬さん、美優ちゃん。」


「大丈夫だよ。これからしばらくは私と猪ちゃんのとこ好きに使っていいからね。」



放課後。

2年生は明日の修学旅行の為、今日だけは全ての部活が免除されてる。

その為、普段はすぐに帰ったり部活に行ってしまう生徒が沢山残っていて、明日の修学旅行前に皆浮足立って教室に残って騒いでいた。


そんな中、旅行中に誰が教室に来るかわからないからと、私のロッカーや他の荷物を全部猪瀬さんと美優ちゃんとのロッカーに分けて入れる事になった。


「入らなかったら俺んとこ使ってもいいよ。」


宮野くんの声に猪瀬さんが即答した。


「紗夏の荷物を汗臭くしたくないから。」


教科書はいつもほとんど持って帰ってるから特別授業に使う物程度しか残ってないので遠慮したのに、それでも何かあるかわからないからと皆に怒られた。


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