最近、キレイになった?【奈菜と南雲シリーズ②】
***


「お疲れ」

「おつかれ~」

ビアグラスがカチンと涼し気な音を立てる。

「仕事のあとの一杯は美味いな!」

ごくごくと喉を鳴らしながら傾けていたグラスを、カウンターの上に戻しながら南雲(なぐも)が言った。

「ほんと。っていうかそれ、いつも言ってるよね」

「そうか?ま、本当のことだろ?」

「まあ、ね……」

カウンターに並んだ二つのビアグラス見ながら頷いた。


週末の仕事上がり。

こんなふうに南雲と二人でご飯を食べるようになったのは、私の失態がきっかけ。
コンビニのレジ前で、「お金がない」というピンチを彼に救ってもらったお礼として、一緒に食事に行くことになったのだ。

あの時からかれこれ二か月。こうして二人でご飯を食べることが少しずつ“普通”のことみたいになってきた。


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