【詩集】ヒトリゴト
自転車
『自転車』


ペダル漕ぐ坂道。
「キミ」がいない背中。

なのにいつもより重い気がして。


ペダル漕ぐ砂利道。
「キミ」が聞こえない耳元。

なのに車輪絡む音が煩わしくて。


立ちあがり漕ぐペダル。
見えた地平線。

「キミ」と見た
夕日は欠けて。

「キミ」がいない
闇が満ちてく。


だけどだけど

そこにまた明日
朝が来るから。

その下る坂道を
朝光が照らすから。


キミの影をまた
心の隅で探して。


ペダル漕ぐ坂道。
< 3 / 4 >

この作品をシェア

pagetop