深紅と浅葱

その3

小鳥の声に目覚め

天井で新選組の屯所だと気がつく


「おはようさん」

山崎の笑顔に視線を移す

「私… なんで…」

「昨夜の捕り物で押し入った店におったんやろ?
気を失って沖田組長が連れて帰ったんや、そしたら熱出るし、朝になっても目は覚まさんしやな」

「え… 帰らなきゃ…」

「瀧に居所伝えてあるけど?
熱下がるまで療養せぇ?」

「瀧さんとこ…
あぁ…なら、伝わるかな」

力が入らない様子に山崎が心配し
葵の脈をとり、首筋に手を当てる


「また熱が上がってる
ほら、目を閉じて寝ぇや」

「すみません」

「何謝ってんねん」


目を閉じるとスヤスヤと寝息


額に濡れた手ぬぐいをのせ
土方に報告に向かう




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