深紅と浅葱

その5

梅が蕾をつけはじめた頃

沖田が仏頂面で土方の部屋で座り込む


「今日も会えなかったのか?」

「るせぇ」

「面倒な性格だなぁ…」

「あ?」

「本人目の前にするとプイッとするくせに会いたいなんてよぉ?」

「土方さんみたいになれてねぇんだ」

「へいへい」


沖田を背に机に向き直る


「近藤さんとこに来てるぞ」

「なにが?」



振り向き文を差し出す



「これ、葵に渡してこい」

「!!!っ わかった!仕方ねぇな!」


バタバタと部屋を出て行った沖田にため息


「なにが『仕方ねぇな』だ…」





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