深紅と浅葱
「フゥ… クッ ウゥッ」

痛みに魘される沖田の手を葵が握る

スーー

落ち着いた寝息に変わる

「沖田さんは、不思議な方ですね
手から優しい力が伝わります」

葵が幹部らの方に向く

「治療したら
沖田さんは、私を嫌いになります」

「家茂様のように?」

山南が間髪入れずに問う

「ええ」

「総司は、お前を嫌ったりしねぇ」

「例外は、ありません
必ず嫌い、私を見ると嫌悪感から
罵倒したくなります
これは、仕方のないこと
沖田さんを責めたり
罵ることを止めないで下さい
止めるととても苦しいそうです
だから絶対に、止めないで下さい」

「葵」

山南がしんけんな目で葵を見る

「はい」

「君は、辛くないのか?」

山南から目をそらして、沖田を見る

「辛くありません
沖田さんが生きているなら」


「総司に嫌われてもいいのかい?」


葵が幹部らに向き


にこっ


「沖田さんの傷を治せるなら
私は、この力を使いたいです」




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