深紅と浅葱

その3

葵の仕事は、早朝から夕餉作りまで


試衛館からの幹部が
近藤の部屋に集結していた時

「近藤さん、よろしいですか?」

「葵か どうぞ」

戸を開け、葵が頭を下げる

「お集まりのところお邪魔します
本日の仕事が終わりました」

「ご苦労さま 気をつけて」

「はい」


葵が戸を閉めようとしたその時


「待って」


沖田が呼び止めた

皆がどうしたのかと注目


「あ… 雨降るから… 送る」


物凄く長い沈黙



「隊士の方々が交代で送って下さっておりますので…
晴れてますけど
傘、借りて帰りますね
では、失礼致します」



葵が居なくなった部屋では、沖田に視線が集まる


「なんです?雨が降る気がしたんですよ!風邪でもひかれたら困るでしょう?」



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