深紅と浅葱
屯所を出ると

パッと手を離す


「大丈夫か?」

「はい 痛くなかったですよ」


引っ張ったことについての返答に
沖田がムスッとする

先に歩き出し

「あんな反応されて、嫌な気持ちになっただろ
気にすんなよ」

沖田が送ると言いだしたことが
あの場から早く連れだそうとしてくれたのだと理解した


「沖田さん」

「ん?」

「私の家、そっちじゃないです」

「//////////」

振り返った沖田は、真っ赤になっていた


「大丈夫ですよ
お気づかいありがとうございます」

一礼して、沖田が向かっていた方に歩き出す


「は?こっちでいいのかよ!?」

「ええ」

「騙したな!?」

「名前を呼んだだけでは、振り向いてくれないでしょう?」

「生意気だ!」

ふて腐れながら、葵の少し後ろを歩く


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